第25回日本口腔・咽頭科学会総会 学術講演会
The 25th Annual Meeting of the Japan Society of Stomato-pharyngology
トップページ ご挨拶 概要 演題募集 採択結果 日程・プログラム 参加者の皆様へ 会場案内 宿泊案内
ご挨拶
第25回日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会の開催にあたって
第25回日本口腔・咽頭科学会 会長
熊本大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
湯本 英二
 9月中旬の熊本はまだまだ真夏と同じ猛暑が続いています。学会にはぜひカジュアルな服装でご参加いただきますようお願いいたします。

 このたび、日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会を担当させていただくことになり、たいへん光栄に存じております。学会役員および会員各位の皆様に心から感謝申し上げます。同時に、会長としての責任の重さに改めて身の引き締まる思いでございます。また、127題という多くの一般演題応募をいただいた会員の先生方にもお礼申し上げます。

 口腔は他科の医師でも簡単に診察できる部位ですが、口腔前庭から舌根まで詳細に診察することは意外と行われず病変を見逃しやすい部位でもあります。また、全身疾患の一部分症状として口腔に異常が現れることもあります。耳鼻咽喉科医は口腔の亜部位をよく診察し種々の異常を適切に診断治療しなければなりません。粘膜病変の診断に苦慮することも少なくありません。咽頭領域は近年悪性腫瘍が増加しつつあります。NBIを用いて早期表在癌が診断されるようになったことも最近のトピックです。化学放射線療法が治療の中心になっていますが、手術が必要なこともしばしばであり、構音・嚥下機能を保存した手術法に習熟することが重要です。唾液腺に起こる疾患も多岐にわたります。このようにみてくると、口腔・咽頭領域にはまだまだ知らないこと、習熟すべきこと、これから開発すべきことがたくさんあると思います。
 このような観点から、今回の学会では会員、とくに将来を担う若手から中堅の先生方に役立つよう臨床セミナー5題をはじめ、臨床に役立つテーマを取り入れました。特別講演は熊本大学血液内科の満屋教授にお願いしました。世界で初めてエイズ治療薬を開発された方で現在も第一線で新たな治療薬の開発に取り組んでおられます。臨床家が基礎研究に取り組みその成果を臨床に還元した素晴らしい一連の研究であり、その過程をお聞きすることは会員の先生方の刺激になることと思います。シンポジウムには「扁桃周囲膿瘍・深頸部膿瘍への対応」と「口腔癌・中咽頭癌の手術−機能保存を目指して」を企画しました。口腔咽頭に由来する感染症はときに重症化しその対応に苦慮します。扁桃周囲膿瘍の取り扱い、深頸部膿瘍の合併症をいかに防ぐか、さらに、小児と高齢者の病態の違いなどについて発表していただきます。また、高齢者の増加に伴って口腔咽頭の悪性腫瘍が増加しています。化学放射線療法が導入され臓器保存が試みられるようになりましたが同時に機能保存を目指した手術治療の工夫も忘れてはなりません。切除部位と範囲に応じて再建方法を工夫することで進行癌でもここまで治せる、ここまで機能を保存できるというところを示していただくことを目標にしています。パネルも2題企画しました。1つは「症例から学ぶ嚥下障害への対応」です。嚥下障害をきたす原因疾患は脳血管病変、神経疾患、筋疾患、呼吸器疾患、頭頸部癌とその治療後ときわめて多岐にわたります。ヒトの直接死因の半数以上は嚥下性肺炎といわれており嚥下にかかわる臓器を扱う耳鼻咽喉科医は嚥下障害の診断と治療に積極的にかかわる必要があります。このパネルでは、司会の3名の先生方に、診断と治療に難渋した嚥下障害症例を提示していただき聴衆の先生方とともに治療方針を考えてみようというものです。2つめは「Transoral surgery:Robotic vs Endoscopic」です。増加傾向にある口腔癌・咽頭癌の低侵襲手術について、すなわち、ロボットを用いる手術と内視鏡下に行う方法について紹介していただきます。どちらの方法でも原発巣の切除に皮膚切開を行いませんので術後の創治癒が早いという特徴があります。気管切開口を設ける必要がないことも利点です。そのため術後早期から経口摂取が可能になります。本邦ではロボット手術の適応に頭頸部癌が含まれていませんので既存の内視鏡、腹腔鏡下手術用の切開・止血器具を用いて行う手術が開発されてきました。一方、米国、韓国などでは口腔癌・咽頭癌の切除にロボット手術が普及してきました。そこで、ロボット手術に関しては外国から演者をお招きしました。それぞれの特徴を理解したうえで本邦においても口腔癌・咽頭癌の低侵襲手術が普及することを願っています。

 もちろん、学会を盛り上げる最大の力は一般会員の積極的な参加であり多くの優れた一般演題であることは言うまでもありません。その意味で、会員皆様が多数熊本においでいただき学会場で熱い討論をしていただきたいと思います。皆様の印象に残る学会になりますよう、教室員全員が一丸となって準備を進めてまいりました。ぜひ、多くの先生方にご参加いただきますよう心からお願い申し上げます。
 
事務局
【学術集会事務局】
熊本大学 耳鼻咽喉科・
頭頸部外科
〒860-8556
熊本市本荘1丁目
1番1号
TEL. 096-373-5255 
事務局長:増田 聖子
【運営事務局】
学会サポートセンター
熊本
〒860-0801
熊本市中央区安政町8-16 
村瀬海運ビル6F
TEL.096-212-3161
FAX.096-212-3163
担当:赤司 大介
熊本大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
グルメ医局員お勧め美味しいお店一覧
Copyright © 2011. 第25回日本口腔・咽頭科学会総会 学術講演会.  All right reserved.